分科会1−A(7月18日15:00-16:30)
子どもたちの未来を守るために
〜児童虐待の実態とその対策〜
講師: 藤井 美江 弁護士
(大阪弁護士会、日弁連子どもの権利委員会幹事)
岡田 ユキ さん (児童虐待の被害者)
★ 事前配布資料 : ダウンロードはコチラから!
■増え続ける児童虐待
新聞やテレビで児童虐待のニュースを目にしない日はありません。たとえば、2004年には、大阪府岸和田市で、15歳の中学生の長男が実父と内妻から殴る蹴るの暴行を受けた上、数日に一度しか食事を与えてもらえず、餓死寸前にまで衰弱するという事件がありました。
2006年度に児童相談所に寄せられた相談件数は、3万7323件であり、1996年からの10年間で約9倍にも増加しています。また、2006年の1年間には、発覚しているだけでも61人(心中を除く)の子どもが虐待によって命を落としています。このように、児童虐待の問題は、子どもの心身に重大な障害を残したり、最悪の場合には子どもが命を落としたりする深刻な問題です。また、児童虐待には、身体的虐待だけでなく、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待等、さまざまな形態があります。
■あなたは殴らないと言えますか?
みなさんは、どんなにあやしても子どもが泣きやまないとき、絶対に子どもに手を上げないと断言できますか。児童虐待は、特別な親だけが加害者になるのではありません。育児の悩みや不安が積み重なることによって、誰もが加害者となりうる身近な問題なのです。また逆に、身近な子どもが虐待の被害に遭っていることに気づくことがあるかもしれません。児童虐待は、私たちの身近にも起こりうる問題なのです。
■当事者に聞く児童虐待の実態
―子どもたちに残る心の傷
虐待を受けて成長した子どもは、心身のさまざまな面に虐待による悪影響を受けます。たとえば、虐待を受けた子どもは、自己評価が低く、何事にも自信が持てないなど情緒面で影響を受け、中には精神疾患になる子どももいます。また、子ども自身も暴力に親和的になるなど、良好な対人関係の構築を困難とするような特性を身につけてしまったりします。身体的成長の面でも影響を受けることが指摘されています。しかも、虐待の影響は容易に消えるものではなく、子どもが成長して経験するさまざまな場面で精神的な苦しみを与え続けます。虐待の世代間連鎖が起こり、新たな被害児童を生み出すこともあります。
そこで、本企画では、虐待の被害者である岡田ユキさんをお招きして、ご自身の被虐待体験を語っていただきます。特に、なぜ自分に虐待が起こったと思うのか、虐待された経験が岡田さんの人格にどのような影響を及ぼしているのかという点に重点を置いてお話いただきます。また、岡田さんがカウンセラーとして接したさまざまな事例から虐待被害者が精神的に抱える苦しみを@恋人ができた段階、A結婚する段階、B子どもができた段階という段階別に話していただきます。
■法曹として私たちにできること
数多くの児童虐待の問題に取り組んでいらっしゃる藤井美江弁護士からもお話をうかがいます。現在の法的手続きの概要及びその中での具体的な取り組みについてお話をうかがい、児童虐待の問題に法律家がどのように関わることができるのかについて教えていただきます。また、児童虐待に対応するためには児童相談所や学校、病院、市役所等との連携が必要不可欠であることや、藤井先生ご自身はどのように関係機関と協力してこの問題に取り組んでいらっしゃるのかについてもお話しいただきます。
◆ 講師プロフィール ◆
藤井 美江
弁護士 1996年弁護士登録。大阪弁護士会子どもの権利委員会委員、大阪府児童虐待危機介入援助チーム委員、日本弁護士連合会子どもの権利委員会幹事。家庭裁判所への申立て、刑事告訴・刑事告発事件への関与等、虐待に関するさまざまな活動をしている。
岡田
ユキ
氏 実の家族から虐待を受けて育った虐待被害者。被虐待体験を乗り越え、現在は音楽療法家・虐待カウンセラー等として活動。児童虐待防止の市民活動団体「サークル・ダルメシアン」代表。著書に『みにくいあひるの子供たち』(第三書館、2006年)。
◆ 関連HP ◆
NPO法人 サークルダルメシアン
http://cdal.org/
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